結果から言うと、人物ポートレートをうまく撮ることに「スキル」はさして関係はない。
人物を撮るということはつまり「コミュニケーション」である。
コミュニケーションとはなんだろうか。それは相手と言葉のキャッチボールをすることである。
今から人物ポートレートにおける大事な要素を3つだけ抜き出して話してみようと思う。
だけど、これはあくまでも、抜粋であり全てではないということを予め言っておきたい。
「気遣い+プラスの言葉+信頼関係」=パートナーシップ
であると考える。
1つずつ説明していこう。
■気遣い
これはもちろん、相手への気遣いだ。
気遣いとはなんぞやという人は、申し訳ないがこの時点でいい写真は撮れない。
気遣いとは相手と、その周りのことを考えた時に最善な行動を指す。
例えば「ファッション」。何もビシっと決めてこいとは思わない。
ただね、相手がそれなりにキレイだったり、美意識の強い人とやるのならば、そこは相手のステージに合わせるべきだ。
ハイブランドで固めるわけでも、雑誌の真似をしろと言っているわけではなことは理解していただけると幸いだ。
女性はヒゲが嫌いな人が多い。
特に無精髭。
なにも見られることを気にしてないんだ、などと思われる。
服や靴に関しても、色の組み合わせや、柄の使い方など、細部に至るまではせめて最低限「清潔感」を身につけよう。
これは女性が気持ちよくとられるための工夫だ。
・不快に思わせない
・一緒に歩いていて嫌だと思われない
・対等に見てもらう
ことに非常に効果的な側面を持つ。
■プラスの言葉
男性の人は女性にこう言ってみよう。
「キレイだね」
どうだろうか?
ちなみにここで”恥ずかしい”と思ったアナタは、殻を破る必要がある。
僕がカメラをやると決めた時に、1つだけ、「これだけは守ろう」というポリシーがあった。
それが「女性に対してプラスの表現に嘘をつかないこと」
「キレイだね」
「かわいいね」
「その髪型素敵だね」
「アナタの唇の形がいいと思う」
「その色使いめっちゃいいじゃん」
「小物の合わせ方うまいよね」
「あ、いまの表情キュンときた」
一見歯が浮くような言葉たちだ。
ただ困ったことに僕は思ってしまったことに嘘をつけない。
上の言葉たちは飾っているのではなく、僕の本音なのだ。
恥ずかしいと思ったアナタは、
まず目の前のキレイをキレイということを言わないデメリットを考えよう。
撮影が進まなかったり、モデルが心をひらいてくれなかったり。
そういうものがあるのではないだろうか。
では逆にキレイと言うメリットを考えよう。
相手はキレイと、素敵と言われて嫌なことはあるのだろうか?
僕はそう思わない。
それでその人が気付けていない、自分の素敵な部分を1つでも見つけてくれたなら、僕は最高だなぁと思ってしまうのである。
ならば何も嫌なことはないじゃないか。
恥ずかしさを捨てよう。恥ずかしいと思うのは、アナタが自分のことを考えているからだ。
本当に相手を思っているのならばたったそれだけのことを言わない事のほうがよっぽど損ではないだろうか。
自分が恥ずかしいと思うことで、目の前の女性が1つ自分の美しさにきづけないくらいなら、僕はどんなことを言われても、目の前の素敵を愚直に素敵だと言える人間でありたい。
■信頼関係
上記に挙げた2つのことをやることで、成り立つものが信頼関係である。
本当にプロ中のプロを撮影するのならば、むしろ「私情を捨てろ」位なことを言われるかもしれない。
でも、多分、撮影する多くの人は一般の人だと思うのだ。
ならば、まずは信頼をしてもらって、
勝ち取った信頼の上で撮影をするほうがよほど合理的だということはわかるだろうか?
それこそ夢の話や価値観の話をしてもいい。
悩みを相談されるようになったらその人は大したものである。
岡本祥平という人物を信じてもらおう。
そしてモデルも自分も楽しめるような写真を撮ることこそ最高のといえるのではないだろうか。
■まとめ
色々なことを言ったが、これらを1つにまとめると、あるいはこういう言葉になるのではないだろうか?
「好きが伝わるのだ」
その人のいいなと思ったところ。
それを表現してあげたい。伝えたいという気持ち。
それを感じてほしいからこそ、まずは入り口で転ばないように身だしなみを整えて。
ほら、全て一貫性があるのがおわかりだろうか?
これから人物ポートレートを撮る人に捧げる今回の記事。
是非、頭に入れながら写真活動に励んで欲しい。
素敵な写真ライフになりますように。
これをきっかけに、一人でも女性が自分の素敵に気づいてくれますように。
ではでは!
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