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フォトジェニックな写真を撮る為に必要な3つの心得

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フォトジェニックな写真を撮る為に必要な3つの心得

「フォトジェニック」という言葉をご存知でしょうか?

一般的に綺麗や可愛いという意味ではなく、もっと深い世界観を表すような写真のことを言います。

どうせ写真家や作品撮りをするのであれば、そのものの可愛いよりも自分やモデルさんの世界観を共有したいですよね。

 

今回のお話は写真家の視点からフォトジェニックに人物を撮影する時のコツをお伝えしたいと思います。

 

ーー

目次

1、綺麗に見せようとしない

1−1、綺麗とは何だろうと塾考する

1−2、肌が綺麗であれば写真は綺麗なのか自問自答してみる

2、世界観を共有する

2−1、そもそも何のために写真を撮るのか考える

2−2、世界観とは自分だけのものではないということを理解する

2−3、相手と自分がいて初めて作品撮りである

3、撮影する前に必ず会う

3−1、あなたは「選ぶ側」であり「選ばれる側」である

3−2、話すことは自分の生い立ちやストーリーである

3−3、その人はモデルである前にあなたのファンでなければいけない

ーー

 

1、綺麗に見せようとしない

いきなり本題かよというような内容ですが、少しだけ考えていただきたいのです。

写真を綺麗に見せようとしすぎじゃないですか?

写真を綺麗にすることはそんなに大切なことなのでしょうか?

 

写真というと「美麗」であったり「記録的」であったりというイメージがあると思います。

綺麗な写真は美しいですか?

 

一度きちんと深く考えてみるべきはそこだと思うのです。

 

1−1、綺麗とは何だろうと追求する

綺麗とは何だろう。

因数分解してみると、究極「あ、綺麗だな」って思った時です。

自分の心が綺麗だと思い、自分の感覚が綺麗だというのであれば、

それは綺麗なのです。

 

その綺麗はどこかの他人が否定できるものではありません。

何故ならば、その綺麗とはあなたの今までの価値観の中で熟成されてきたものだからです。

人それぞれに大切な価値観があり、

ひとそれぞれ綺麗は違うのだと思います。

 

大事なことはどこかの誰かの綺麗に惑わされないでください。

例えば、99人が綺麗だといい、あなたは綺麗ではないと思うのであれば、

それはあなたにとっては綺麗ではないという、ただそれだけが事実なのだと思います。

そしてそれをわかっているのであればこう自問してください。

 

「本当の綺麗を写すときにそんなに肌の修正って必要ですか?」

僕は思います。

そんなものは必要ないと。

あなたのそのままが美しいし、心から想う綺麗で撮った写真は絶対に素敵なものです。

 

1−2、肌が綺麗であれば写真は綺麗なのか自問自答してみる

ただ、こうとも思ってください。

肌が綺麗であればそれは綺麗でしょうか?

そばかすがあったり、ニキビがあったりそれではその人は綺麗ではないのでしょうか?

僕は思います。

それでも「綺麗」だと。

 

もちろんその人がファッションモデルを目指すのであればある程度の基準が必要だと思います。

ですが、綺麗を形作るのは肌でもなく、周りのミーハーな意見でもありません。

「綺麗」を形作るのは、その人自身の世界観であり、その人そのものの「生き方」だと僕は思います。

 

2、世界観を共有する

ただ、その「世界観」について言及をしていかなければいけません。

世界観とは何でしょうか。

いい作品を作ろうとしたときに必要なのは世界観ですが、それはひどく曖昧で抽象的なものでもあります。

なので、「自分はこういう考えを持ってるんだよ!」「こういうものを表現したいんだよ!」

そのような考え方を持っているのであれば、ぜひそれは相手と共有してから撮影に臨んだほうがいいと思います。

2−1、そもそも何のために写真を撮るのか考える

これはあくまでも、撮影についてのお話になりますが、

まず考えるべきは「そもそも自分はなぜ、なんのために写真を撮っているのか」

という哲学的な問いに対して自問自答する必要があると思います。

 

これについては答えは最初から存在していません。

つまりあなたが「いい」と思ったものは「良い」のです。

過去の経験や思い出からでもいいし、ポリシーを探ってみてもいいかもしれませんね。

周りの人に聞いてみると

「こういうかっこいいの撮りたい」

「写真家で食べていきたい」

「こういう写真家になりたい」

という答えは返ってくるものの、ではなんでそれを撮っているのかを聞くと、

答えられない人は実は割と多かったりします。

 

答えを出す必要はないので、とにかく自分が「写真を撮影する理由」について考えてみてください。

最初は毎回違う答えが出るかもしれません。ですがそれは考えてトライ&エラーを繰り返すことで、明確な自分にとっての写真像が出来上がるはずです。

 

2−2、世界観とは自分だけのものではないということを理解する

世界観とは自分のものでしょうか?

答えはもちろん「自分のもの」です。でも、同時に思います。

自分のものであり、自分のものではないということだと。

 

どういう意味か分かりませんよね。それをこれから少しだけお話ししたいと思います。

世界観というものは自分のものですが、自分だけでは完結しないものでもあるんです。

それは世界を形作るのは自分だけの思考ではなく、あらゆる価値観、あらゆる主義主張の上成り立っているものだからです。

なので、「自分自身の世界観」を持つことはいいことですが、同時にモデルの世界観も共有してもらいましょう。2つの異なる価値観を結び付けることでそれは「作品」足りえます。

 

そしてその世界を表現することが「フォトジェニック」なのです。

 

2−3、相手と自分がいて初めて作品撮りである

重複するようですが、フォトジェニックであるということの前に、作品づくりとは「相手がいて」初めて成り立つものではないでしょうか。

一人だけでも成り立つのかもしれません。ですが、「人物」をテーマととらえている僕としては、どうしたって「相手」が必要になります。

 

そしてポートレートにおいてはさして重要ではないかもしれないですが、

作品作りとして捉えるのであれば被写体に「マネキン」になってもらいたいわけではないのです。

 

あくまでも必要なのは「自分」と「相手」の異なる多様性であり、その二つの世界が織り交ざったものが「フォトジェニック」を引き立たせる重要なファクターであると考えます。

 

カメラがあれば誰でも同じ作品になりうるのでしょうか?

違いますよね。あなたの目線から見たあなたの世界から見た、その人だから。

あなたにしか写せないあなただけの作品になる。

 

それは相手をいかに理解して、その世界観までもを引き出せるのかということにかかっているのではないかと僕は思います。

 

3、撮影する前に必ず会う

さて、上記のことを実現するための具体的なToDoについて少しだけ説明させていただければと思います。これはかなり重要ですが、疎かになりがちなところなので、ぜひ気を付けてみていただければ幸いです。

 

それは【必ず会ってください】。

撮影前です。直前ではありませんよ。撮影の前のどこかの日にがっつり会って、がっつり相手の世界観を確かめてください。

よくお声がけして「会いません」「撮影の時だけ」という人物もいますが、

誤解を恐れずに言うならば、よほどのその道で食べている人を相手にする以外は「その人は撮影する意味さえありません」。そういうものです。

 

プロのモデルと作品撮りをする時ですら、事前打ち合わせをします。

(仲良くなった人で定例化しているものに関しては電話で済むこともあります)

 

どんなに写真が良くても、どんなにコメントが良くても、表面だけきれいに形作っている人など、いくらでもいます。むしろそのような人口のほうが多いのではないでしょうか。

 

「作品」とは、自分の魂です。自分の魂が伝えたい言葉です。それを正面からとらえてぶつかっていくからこそ、それはフォトジェニックになる。だからこそ、相手がいくら見た目がきれいでも、やっとつながったアポだとしても、折れないでください。

 

会うのはデートではありません。お互いのビジョンを確かめ合う場です。

それを会いたくない、行きたくないという人にはそもそもプロではありません。

そしてプロとはお金をもらっている人ではなく、「正面の求めている人に本気でぶつかっていける人物」であると定義します。無償であろうと、有償であろうと、目の前に立ったのならば皆等しくプロです。

 

あなたの魂を写すのだから、それに相応しい人を選んでください。

 

3−1、あなたは「選ぶ側」であり「選ばれる側」である

故にいつも思うことは、最初のお茶はこちらが「選ばれる場所」であることは間違いないでしょう。

ただ、間違わないでください。あなたも同じく「選ぶ側」であることを。

 

よく吟味してください。その人の主義主張や、その人の好きなものや、普段来ている服、現場を決めるためにも、どこらへんに住んでいるかなど、基本的な部分はもちろん聞くべきですが、

 

それより大事なのは、その人がどういう世界観を持っているのか。

それは自分と重なるものがあるのかということです。

 

選ばれるのはしょうがない。

でも、あなただって「選んで」いい。もし違うとなったら断る勇気を持つことこそが大切だと思います。

ただ、断れるのは「あなたの中に確かな芯」があるから、その価値観と照らし合わせて断る経緯になったというのが順序だとも思います。

 

3−2、話すことは自分の生い立ちやストーリーである

ではどのように分かり合っていくのか。それについてまず大切なことは、

「あなたから話す」ということではないでしょうか。

 

初めましての人、たくさんいますよね。

そういう人といつもどのような話をしますか?

自分の好きなことだけを話しますか?

それとも相手が口を開くのを待ちますか?

 

例えばその人がとてもとてもシャイだったとして、もしかしたらあなたは1日経ってもその人との会話は進まないかもしれない。

 

先ほど世界観を共有すると申しました。

しかし、世界観を共有するということは実はレベルの高い内容だったりします。その世界観というものには「あなたの過去」「あなたの現在」「あなたの未来」がそのまま入っているからです。

つまり相手も同じということで、自分のことも相手のこともたくさん知るということ言うことです。

 

誰だって自分のことを深く話すの恥ずかしいですよね。

だからこそやるべきことは1つです。

 

まずは「あなた」から話しましょう。

話す内容は1つです。

 

「なぜあなたが写真を撮っているのか」

 

これだけです。そしてこれを話すことはあなたの生い立ちや人生観を話すことにもつながると思います。

あなたから話すことで相手も自分の世界観を話してくれるようになると思いませんか?

 

3−3、その人はモデルである前にあなたのファンでなければいけない

最後に大切なことをお伝えします。

それはモデルについて「モデルである前にあなたはその人のファンですか?」ということです。

そもそもその人のファンでなければ、その人の世界観に興味が湧きません。

 

興味が湧かなければそもそもいい写真は撮れません。

興味がないことは失礼なことだし、パートナーシップは築けません。

そして、あなたの世界観と相手の世界観がマッチしませんよね。

 

その人の世界観を理解したうえで撮影することはより深く、それこそ素晴らしいフォトジェニックな写真になるのではないでしょうか。

 

皆さんが皆さんのフォトジェニックを表現できるための参考になれば幸いです。

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